ティム・デ・パラヴィチーニは、「モービル・フィデリティ・サウンド・ラボ」や「エクスチェンジ」のような高品質なレコード制作で広く知られるアナログレコードのマスタリングに使用される多様な機器を設計・改良する、稀有なエンジニアです。彼は、ミュージシャンが録音したマスターテープから最高の音楽を紡ぎ出し、その時代の鮮やかで情熱的な演奏を蘇らせることができます。

その豊富な知識と経験は「アナログの王」の名にふさわしく、オーディオ機器に関する極めて深いオールラウンドなノウハウを誇ります。これには、マスターレコードの制作で重要な役割を果たすレコードカッティングヘッド用のドライブアンプの設計、マスターテープを再生する「シュターダー」や「アンペックス」といったテープマシンのカスタムリビルド、音源を自然に響かせるためのイコライザーやコンプレッサーの製造が含まれます。

「EAR 912」は、これらの音源から可能な限り最高の音を再現するために開発されたプロフェッショナル再生機器です。

高音から低音まで、楽器やボーカルが自然に、無着色で歌うように響くその再生能力は、パラヴィチーニの設計がプロフェッショナル環境の極めて高い要求に応えるものであることを示しています。

「EAR 88PB」は、EAR 912のプロフェッショナル再生機の超高品質フォノステージを単体化した、最高級の真空管フォノイコライザーとして設計されたモデルです。

アナログレコードの可能性を最大限に引き出すため、パラヴィチーニが試行錯誤の末に自ら設計・巻線したオリジナルのMCステップアップトランスを採用し、ダブルアーム仕様や2台のターンテーブルを接続して音質のバリエーションを楽しむことができる2つのフォノ入力を備えています（1つはMM専用）。

また、高品質なアナログボリュームコントロールを装備しており、プリアンプを介さず直接パワーアンプに接続して純粋なアナログサウンドを楽しむことができます。また、統合アンプやプリアンプに接続してゲインコントローラーとして使用し、レコードによる歪みを抑えることも可能です。

EARサウンドの源泉は、パラヴィチーニ独自の設計である真空管タイプ（PCC88 x 4）の出力段にあり、トランスを介してRCAソケット（アンバランス出力用）またはXLR（バランス動作用）から信号を出力します（アースラインはスイッチで切り替え可能／出力は同時）。特に、RIAAイコライゼーションカーブに適合する高い安定性を持つ回路設計により、溝に刻まれた音の微細な粒子まで美しく描写します。

EAR 88PBの真髄は、その卓越した空間表現力にあります。ボーカリストの口の官能的な動き、木製ベースの太い弦が空気を震わせて作り出す極めて自然な空気感、ピアノやハープシコードの超高音域が美しい余韻とともに深く艶やかに空間に浸透する様子を見事に再現します。

各楽器が明確に分離され、濁りなく調和を生み出し、演奏が録音されたコンサートホールやスタジオの環境を思い起こさせます。

「EAR 88PB」は、高品質な音源をアナログレコードにマスタリングする豊富な知識を持つパラヴィチーニが、最高の技術を用いて高品質な音をそのまま再現するために開発した特別なフォノイコライザーです。

お気に入りのアルバムに新たな輝きを与え、レコードがいかに美しく歌うかに驚き、音楽の感動に圧倒されることでしょう。